アメリカの資産運用アドバイス業者 Ameriprise Financial に所属のアドバイザーのコンピュータから、顧客の資産情報や個人情報が350人分ほど流出する事故がありました。
銀行口座の情報や、資産運用結果に関する資料も流出したとのこと。
今やパソコンに限らず、様々な機器がインターネットに接続されています。
監視カメラや複合機もインターネットに接続されており、外部からの通信を受け付けて操作できる便利な一面がある一方で、外部からハッキングされて情報が盗まれるという事故も多く発生しています。
アメリカで行われている資産運用アドバイスビジネスを、日本で行おうという資産運用アドバイザーも増えています。
日本で同種のビジネスをされるアドバイザーの方には、くれぐれも顧客の個人情報や資産情報の流出に注意してほしいと思います。
外部ハッキングに注意するだけでなく、お持ちのパソコンや作成した紙資料を盗難されたり紛失した場合にもしっかり備えるよう、対策を行ってほしいと思います。
【■顧客の資産情報、従業員宅のNASから流出――米Ameriprise Financial】
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1612/19/news053.html
スポンサーサイト
- 2017/01/11(水) 08:40:38|
- 金融資産運用・経済
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
国際分散投資に愛着がある投資家&投資アドバイザーにぜひ読んでほしい記事があったのでご紹介です。
ポートフォリオ理論の一つに、「相関係数が低い資産の組み合わせほど、低リスクの恩恵を受けられる」というものがあります。
これ、多くの人がとりあえずそのまま丸暗記しているのですが、相関関係があることと因果関係があることとはまったく別問題です。
相関係数が低くても、なぜそうなるのかの根拠がないと、根拠なき机上の空論で投資判断をしてしまっていることになります。
ここで詳しくは書ききれないので概要レベルのお話になりますが、まず下記記事を読んでみてください。
■「相関関係」と「因果関係」の違いを理解すれば根拠のない通説にだまされなくなる!
http://diamond.jp/articles/-/102692 これを読めば、小学生の体力と学力に相関関係があっても、因果関係がないことがわかると思います。
似たような事例で、日本人の年収と血圧との間にも相関関係があることが知られています。
日本社会には「年功序列」なるものがあり、年を取る人ほど年収を多くもらえるという文化があるので、年齢が高いほど年収も高いという相関関係が得られます。
一方で、年齢が高い人ほど血圧も高い、という相関関係も知られています。これは加齢に伴い血管が固くなることから生ずるものです。
この2つのデータから、「血圧が高いほど年収が高い」という統計データが結果的に得られます。
しかし年齢⇒年収、年齢⇒血圧の事例とは異なり、「血圧が高い⇒年収も高い」ということに因果関係はありません。
ここに因果関係がないことを理解していない場合、間違ったアドバイスを人にしてしまうことになります。
例えば、家をほしいが高額のローンを組めない人に対して、「血圧をあげて年収を増やし、資金繰りを改善して家を買いましょう」といったおかしなアドバイスをしてしまうことになります。
こんなアドバイスをして収益を上げてしまうと、詐欺と受け取られても仕方がないものになります。
さて本題に入りますが、国際分散投資に強い思い入れがある皆さんにとって、相関係数が-1に近くなる事例を見つけたときに、その因果関係を説明できるでしょうか?
説明できないなら、「小学生の学力と体力」「年収と血圧」の理屈と同じく、意味のないことを判断根拠にしているにすぎません。
様々な資産の価格データを探し出し「相関係数が低い!」「この組み合わせがいい!」などと評する人たちをたくさん見かけます。そういう情報をほしがる人もたくさんいます。
しかし、その因果関係や、そうなる根拠を説明できる人には出会ったことはありません。(間違った説明はたくさん見かけますが)
統計学上の相関関係があっても、大事なのはそこじゃないんです。そこにファンダメンタル分析をかけ合わせて検証し、相関係数が低くなる根拠は何か、それが将来も続くものなのか、という点に切り込むことで、根拠ある立派な資産運用アドバイスとなるのです。
といろいろ書きましたが、「相関関係」と「因果関係」の違いをきちんと説明してくれる記事が見つけたので、ご紹介をしました。ダイヤモンドの記事なので、お金が好きな人が読者に多そうなので、ちょっとでもいい影響があればいいなと思っています。
それと、国際分散投資に強い関心がある方は、もう少し統計学を学問的に学ぶことをお勧めしています。
ただの数学勉強ではあまり意味がありませんが、統計学の知見をどのようにして現実課題の解決にあてはめていくかとか、統計学の限界・統計学でも解決できない問題は何か、というところまで見えれば、より実践的な応用が利かせらるようになります。
しかし、そこを学ぶための、一般人向けのわかりやすい教材がほとんどないのが残念なのですが・・・。
というわけで、ここに切り込む勉強会を2017年から始めようかどうしようかと考えています(笑)
私はこの辺りを一通りやってきて伝えられるネタは全部あるので、ニーズがあれば検討しようと思っています。勉強会タイトルは
「ヤフーファイナンスとExcelがあれば誰でもできる!統計学を駆使したハイレベルな国際分散投資の有効性分析!ロボアドバイザーも実はやってるよ!」
が旬な感じでよさそうかなあ。
いや、まだやるとは決めてないですけれどね。
- 2016/10/04(火) 20:36:18|
- 金融資産運用・経済
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
1ヶ月ほど前に、ロボアドバイザーサービスに対する突込みについて書きました。
今度は別の観点から、もう一つの突っ込みを入れたいと思います。
(1か月も期間を開けるつもりは全くなかったのですが、書こうと思いつつも今日になってしまいました。自分が忙しいのか、それとも時代の流れが速いのか・・・笑)
ロボアドバイザーサービスに対する2つ目の突っ込みは、コストに関する点です。
世間で資産運用のアドバイスをしている方にも、このコストにはぜひ関心を持ってほしいです。
金融機関の窓口で投資商品を買うと、高い手数料を取られる(そういう商品を勧めてくる)と言われています。
それと比較してロボアドバイザーなら、低い手数料なのがメリットとも言われています。
確かに表面的な手数料率は低いかもしれませんが、手数料は低いとはいえ、ロボアドバイザー提供会社にたくさん金が入る仕組みのポートフォリオになっていることは十分考えられるでしょう(商売ですから・・・)
言い換えれば、ロボアドバイザー提供会社が支払うコストが少ないものを集めたポートフォリオを組んで、これを「オススメ」と言っているかもしれないということです。
複数の保険会社の商品を扱う保険代理店が、手数料の高い商品を率先して売っていた(お勧めして売っていた)というのは、すでにニュースになっている通りです。
これと同じことが、ロボアドバイザーにも当てはまっているかもしれません。
ポートフォリオをお勧めしてくれた理由を説明してくれない分、(法律が変わった今となっては)保険代理店の方が透明性があると言えるかもしれません。
また、これらのロボアドバイザーは内容・提供会社によりますが、0.5~1.5%程度(平均すれば1%くらいか)の手数料を取っています。
そもそもこのロボアドバイザー自体を「あなたに適したポートフォリオで運用してくれるアクティブファンド」とみなすことができます。
単に指標に連動する以上の目的を持っている時点で、もはやアクティブファンドの一種と言えます。
手数料の高いアクティブファンドはやめとけ!どうせインデックスに勝てないんだから、という人間アドバイザーが、このロボアドバイザーを勧めるのも、私にはちょっと理解ができません。だって、インデックスファンドより信託報酬が1%高いアクティブファンドを悪者にする人が、同様の手数料構成であるロボアドバイザーを勧めているのですから。
世間の人が見ているアセットクラスのポートフォリオは、普通は取引コストを無視して構築されたものです。
ロボアドバイザーを使うことによるコストも考慮し、本当に自分が期待するパフォーマンスを得られるサービスなのかを、よく考えて利用することをお勧めします。
まあ、こう書くと、結局どうするのがいいの?って議論になってしまいますね。
究極的には、自身でポートフォリオのリターンとリスクを多角的に分析できる能力を身に着けるのがよいと思います。
そのうえで、手数料を考慮して損得判断ができればなお良しです。
(超過リターンの概念に、無リスク資産のリターンだけでなく、投資家が負担する手数料をも差し引いて考えられていればなお良し、ということです)
とはいえ、ここまで目指すのはかなりのお勉強が必要ですし、それはそれでコストがかかってしまいます。
なので、多少のコストを払ってロボアドバイザーサービスに頼るというのも選択肢の一つなのかもしれません。
なんだか、議論が堂々巡りになってきた(笑)
いろいろ書きましたが、こういった点にも着目したうえで、ロボアドバイザーサービスについて考えてもらえればと思っています。
- 2016/06/28(火) 06:29:22|
- 金融資産運用・経済
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
ロボアドバイザーに関する情報が出回っています。
ロボアドバイザーを持ち上げて評価する人たちが多いのですが、私はあえて違う目線で、このサービスに突っ込みを入れてみようと思います。
私としては、今のロボアドバイザーはまだ不十分だと思っていて、より利用者に対する納得感を追求していくべきサービスだと思っています。
これを読んだ方が、ロボアドバイザーに対する客観的な判断基準を持てるようになってほしいな、という思いから書くのであります。
ロボアドバイザーは、コンピュータが自動でポートフォリオを組んでくれます。
簡単なアンケート10個ほどに答えた後、ポートフォリオを提案してくれます。
数千、数万の銘柄がある中から、あなたにあったポートフォリオを提案します、というのが売り文句ですが、そもそもなぜそのポートフォリオを提案したのか、提案したポートフォリオのどこがどう優れているのか、そういった説明は全くありません。
次の例と、比較してみてください。
アンケートに答えた直後に、数ある中からポンと勧められた保険商品。
この保険を契約したいと思いますか? コンピュータのお勧めなら契約しますか?
誰かのおすすめなら、無条件で契約しますか?
あなたの希望を聞いたすぐ後に、ポンと勧められたマンション。
購入したくなりますか? コンピュータのお勧めなら契約しますか?
ネットショップで突然勧められた家電や雑貨の商品。
すぐ買いたいと思いますか? Amazonがお勧めしてくれるのだったら、買いますか?
それと同じで、10個ほどのアンケートに答えた後に進められたポートフォリオ、いいと思えますか?
ちなみに、ロボアドバイザーサービスを複数利用しているなら、その両方でお勧めのポートフォリオを比較してみてください。
両社で違いが大きい場合もありますが、その場合に利用者は、2つのポートフォリオの違いや優劣を理解できるでしょうか。
そもそも、ポートフォリオの優位性を、どう評価すればいいのでしょうか?
それが分かる人自体が、少ないのが実情のはず。
投資について語るFPですら、評価できない人が多いでしょう。
ちょっと回りくどかったかもしれませんが、ロボアドバイザーは、一般の人が優劣を判断できないものを推薦しています。
しかも、その判断根拠の説明なしで、です。
見方によっては、これは少々異常なビジネスとも言えます。
ロボアドバイザーは、真に顧客に優位性をもたらすサービスなのでしょうか。
投資の推薦の形態として、十分といえるでしょうか。
私としては、今のロボアドバイザーはまだ不十分だと思っていて、より利用者に対する納得感を追求していくべきサービスだと思っています。
サービス提供者はもう少し勉強と努力をしてもらって、サービスの改革に臨んでほしいと思います。
・・・私がやればいいじゃないかって思われたかもしれませんが、それがお金になるのでしたら、頑張ろうと思っています(笑)
- 2016/05/29(日) 10:22:23|
- 金融資産運用・経済
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
投資信託は、投資家から預かったお金のうちの一部が、日銀の当座預金におかれています。
マイナス金利の影響により、当座に置かれた分のに対してコストがかかるため、それを投資家に転嫁するのだそうです。
投資家に転嫁する方法として、「基準価格を下げる」を採用するそうな。
そのコストは、基準価格10000円あたり0.2円ほど。見かけ上、信託報酬が0.002%増加するのと等しい経済効果となります。
非常に微々たるものと言えますが、投資家にもその影響が出ている一つの事例です。
・日本経済新聞の該当記事
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO99811770Z10C16A4MM8000/マイナス金利がより一層進むなら、もう少しインパクトが出るかもしれませんね。
- 2016/04/24(日) 15:27:34|
- 金融資産運用・経済
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
5/14(土)に、SGネクストで金融オプションに関する講師を務めることになりました。
オプションというと敷居が高そうですが、実は日常生活の中にもオプションがたくさん使われていて、日常的に触れているものでもあります。
今回はこのオプションを、日常生活と関連付けて理解を深め、その上で金融オプションの損得感覚を養える内容で進めていきます。
セミナー概要は、次の通りです。
====
テーマ:金融オプションの仕組みを身近な実例から学び、オプションの損得感覚を養おう
家電量販店やBookOffの取り組みの中に、デリバティブのオプションの原理が使われています。その事例と関連付けて、オプションの特長と性質を、基礎からわかりやすく学んでいきます。
金融商品のオプションの事例も取り上げ、どうなるとオプションの得をするのか、損をするのかにも踏み込んで解説をしていきます。
今回のたった2時間で、オプションがとても身近に感じられるようになるでしょう
====
- 2016/04/19(火) 22:37:53|
- 金融資産運用・経済
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
次のページ