今日知った相続事例です。
遺留分を侵害した遺産分割案件があったとします。
遺留分を侵害された相続人(Aさんとします)が、遺留分の減殺請求を行うことにしました。
遺留分の減殺請求を行う前に、すでに相続税の納税が完了していた場合には、遺留分を取得したAさんは相続税を支払う必要はないのだそうです。
ただし、Aさんから減殺請求された立場の人(遺留分の財産を分け与えた人、Bさんとします)が、相続税の更正の請求をした場合には、Bさんには減殺請求分に相当する相続税額が還付されるとともに、Aさんにその税額分が国税庁から支払いを求められるようになります。
Bさんにとっては、相続税の払い過ぎの状態になっているわけですから、これを清算する権利が認められているわけです。
この手続きを行うためには、AとBとの間で話し合いがついた時点から4か月以内に、Bさんが更正の請求を行う必要があります。
このように、遺留分を請求した人が相続税を払わなくていい場合があります。
また、遺留分減殺請求権にもとづいて、各相続人間で相続税の負担額の調整も行えるのです。
減殺請求に関わる事例において、役立つ知識になると思います。
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- 2014/03/30(日) 08:15:31|
- 相続・事業承継
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マイナンバー制度の議論が以前からありますが、個人的にはこの制度に期待をしています。
国民のプライバシーが侵害されることが指摘され続けています。でも今まで以上に、公平性のある社会制度が実現できる一面もあるからです。
【参考記事】
銀行預金口座とマイナンバー紐付けへの懸念この記事にも書いてありますが、マイナンバー制度の実現により、自営業者と会社員とがともに所得を把握しやすくなります。それ以外にも、政治家の所得も把握しやすくなりますので、悪いお金の流れを突き止めやすくなることも期待しています。
生活保護や他の社会保障制度における支給・不支給で社会問題化しています。この問題もマイナンバーと預金口座を紐づけることで、資産額や資金の流れの透明性が高まり、今より公平な審査基準と運用を実現できる可能性があります。
そのほか、現状では源泉分離課税制度になっているものを、総合課税に組み込むこともできます。
たとえば、現在の預金の利子は(一部の例外を除き)誰もが一律20%が課税されています。これは実際のところ、預金残高とその預金口座の持ち主の所得とを関連付けて管理ができないので、やむをえず一律に20%課税している面があります。単純な解釈をすれば、銀行に預けられている預金残高×利率×20%を徴収するだけで納税完了となるので、税務署としても楽なのです。
でも、納税者と預金残高の金額とをマイナンバー制度で関連付けられれば、低所得者の預金には5%の課税、高所得者の預金には40%の課税、ということが実現できるようになります。
証券口座とも関連付ければ、株やFXによる所得も含めて総所得課税によって、一人一人税率を定めることも可能になります。この20%の分離課税が総合所得の税率より高い人にとっては、減税効果が生まれるメリットがあります。
現在これをやろうとすれば、多大な人のリソースを要します。しかしマイナンバー制度によって多くの処理をコンピュータがやってくれるのなら、実現の可能性は高まるでしょう。
このように、マイナンバー制度によって、公平な課税、社会保障制度の運営を実現できるのが、社会的なメリットといえるます。
しかし上記記事にもある通り、国家が全国民のお金の流れを把握することに対して、国民の抵抗がある点も考慮しなければなりません。
特定秘密保護法なるものを作り、また国民から徴収した税を適切に使わない例が後を絶たず、国民が国家を信用しなくなっている一面もあります。国を信用できない中では、マイナンバー制度も実現は難航が予想されます。
マイナンバー制度がスムーズに施行されるかどうかは、国民と国家の信頼の度合いにもかかっているのかなと、個人的には考えています。
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- 2014/03/26(水) 19:01:45|
- 税金
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本日は、孫への贈与で相続税の節税ができるというお話です。
「相続人が相続開始前3年間に贈与した財産は、その価額を相続発生時に持ち戻し、相続税の課税対象とする」
というルールがあります。ファイナンシャルプランナーの方は、FP試験を取得する過程で学びます(3級でも出題されています)
つまり、相続人に110万円以内の贈与をして相続税の節税をしたつもりであっても、相続開始前3年分の贈与額は、最終的には相続税の課税対象になってしまうということです。
しかし、このいわゆる3年ルールが適用されるのは、通常は相続人のみです。したがって相続人以外への贈与であれば、それが相続発生前の3年間であったとしても、相続税ではなく贈与税の課税対象となります。
ですので、相続人でない孫へ生前贈与をすれば、相続税の節税対策にもなります。またそのお金は、相続人となるご家族の家計を助ける一面にもなります。孫にかかるお金をおじいちゃん、おばあちゃんが出してくれるので、その親(本記事において相続人となる立場の人)が直接支出するお金ではないからです。
本記事では「孫」に焦点を当てましたが、相続人でない人への贈与も同じく相続税の節税対策になります。ただ、家族外に流出するお金になるので、相続発生時の印象もひとつ考えておくべき点かと思います。
上記のお話は概略です。実務上、この手法で節税を行う場合には、ほかにも考慮すべきポイントがたくさんあります。
いま思いついただけでも、下記のポイントがあります。
・孫と言っても、代襲相続する立場の孫への贈与は節税にならないことがある(法定相続人だから)
・遺言で、贈与した人へ財産を遺贈する、などと書いてはいけない(相続で財産を受け取ると、3年ルールが適用されてしまう)
・孫への贈与が、時に遺産分割上の不公平感を生むことがある(いわゆる争続のきっかけにもなる)
実務上は注意すべき点もありますが、このお話が相続税節税のポイントの一つとして相談者へのアドバイスに活用できることを、知っておいて損はないでしょう。
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- 2014/03/25(火) 07:36:20|
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FP技能士の3級または2級の合格を目指す方を対象とした勉強会のご案内です。
「楽しくもしっかり学べる」をモットーに活動を続け、すでに30回以上も開催実績のある勉強会です。
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FP技能士3級2級合格勉強会
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- 2014/03/15(土) 07:20:17|
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2011年度の国税庁調査によると、申告漏れの相続財産の金額構成比率は次の通りです。
土地家屋:17.9%
現預金、有価証券:52.2%
その他(保険金、貸付金、現物資産など):29.9%
ご覧の通り、現預金や有価証券など、いわゆる金融資産が半数を超えています。
相続税の税務調査を受けた場合、その80%が申告漏れによる追徴課税があるとも言われています。
金融資産で国税庁から指摘されやすい理由は、被相続人が資産状況を完全に把握できない(把握漏れがある)という理由があると考えられています。
全財産を把握することは、ファイナンシャルプランニングにおいても大切なことです。
お金の相談に乗る専門家の啓発を受けて、多くの国民が自分とその家族の資産を把握できるようになれば、このような申告漏れは減らしていけるのではないかと思っています。
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- 2014/03/07(金) 16:33:10|
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来年に相続税の基礎控除の引き上げられるのを受けて、相続税対策に注目が集まっていますね。
その相続税ですが、適切に納めないと、あとで税務調査が入ることがあります。
相続税の税務調査は7月~12月ごろに行われる傾向があるそうですが、相続税の税務調査を受けた場合、その80%が申告漏れによる追徴課税があるとも言われています。
税務調査においては、次のポイントを中心に、様々なチェックが行われるそうです。
・被相続人の死亡直前に、多額の預貯金の引き出しがあったかどうか。
・家族の口座を事実上、自分の口座として利用していたかどうか(いわゆる名義預金)
・被相続人の生前贈与を、適切に申告していたか。
・相続人以外の人に財産が移転していないか
・相続税の納税資金をどのように調達したか
・有料老人ホームの一時金の返還分などを相続財産に組みこんで申告しているか
・過大な債務や葬式費用を申告していないか
・小規模宅地の評価減が適用できないのに、適用してしまっていないか。
・国外にある相続財産も、きちんと申告しているか
しっかり勉強した専門家ならこれらの点に気を付けることはできますが、一般の方がここまでのことに配慮できていないケースもあるでしょう。
相続コンサルティングを行う専門家の方は、相談してきたお客様がこれらのポイントを適切に対処しているかを確認するとともに、問題のない相続手続きを行えるようアドバイスしていくことが重要です。
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- 2014/03/03(月) 22:34:24|
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