1ヶ月ほど前に、ロボアドバイザーサービスに対する突込みについて書きました。
今度は別の観点から、もう一つの突っ込みを入れたいと思います。
(1か月も期間を開けるつもりは全くなかったのですが、書こうと思いつつも今日になってしまいました。自分が忙しいのか、それとも時代の流れが速いのか・・・笑)
ロボアドバイザーサービスに対する2つ目の突っ込みは、コストに関する点です。
世間で資産運用のアドバイスをしている方にも、このコストにはぜひ関心を持ってほしいです。
金融機関の窓口で投資商品を買うと、高い手数料を取られる(そういう商品を勧めてくる)と言われています。
それと比較してロボアドバイザーなら、低い手数料なのがメリットとも言われています。
確かに表面的な手数料率は低いかもしれませんが、手数料は低いとはいえ、ロボアドバイザー提供会社にたくさん金が入る仕組みのポートフォリオになっていることは十分考えられるでしょう(商売ですから・・・)
言い換えれば、ロボアドバイザー提供会社が支払うコストが少ないものを集めたポートフォリオを組んで、これを「オススメ」と言っているかもしれないということです。
複数の保険会社の商品を扱う保険代理店が、手数料の高い商品を率先して売っていた(お勧めして売っていた)というのは、すでにニュースになっている通りです。
これと同じことが、ロボアドバイザーにも当てはまっているかもしれません。
ポートフォリオをお勧めしてくれた理由を説明してくれない分、(法律が変わった今となっては)保険代理店の方が透明性があると言えるかもしれません。
また、これらのロボアドバイザーは内容・提供会社によりますが、0.5~1.5%程度(平均すれば1%くらいか)の手数料を取っています。
そもそもこのロボアドバイザー自体を「あなたに適したポートフォリオで運用してくれるアクティブファンド」とみなすことができます。
単に指標に連動する以上の目的を持っている時点で、もはやアクティブファンドの一種と言えます。
手数料の高いアクティブファンドはやめとけ!どうせインデックスに勝てないんだから、という人間アドバイザーが、このロボアドバイザーを勧めるのも、私にはちょっと理解ができません。だって、インデックスファンドより信託報酬が1%高いアクティブファンドを悪者にする人が、同様の手数料構成であるロボアドバイザーを勧めているのですから。
世間の人が見ているアセットクラスのポートフォリオは、普通は取引コストを無視して構築されたものです。
ロボアドバイザーを使うことによるコストも考慮し、本当に自分が期待するパフォーマンスを得られるサービスなのかを、よく考えて利用することをお勧めします。
まあ、こう書くと、結局どうするのがいいの?って議論になってしまいますね。
究極的には、自身でポートフォリオのリターンとリスクを多角的に分析できる能力を身に着けるのがよいと思います。
そのうえで、手数料を考慮して損得判断ができればなお良しです。
(超過リターンの概念に、無リスク資産のリターンだけでなく、投資家が負担する手数料をも差し引いて考えられていればなお良し、ということです)
とはいえ、ここまで目指すのはかなりのお勉強が必要ですし、それはそれでコストがかかってしまいます。
なので、多少のコストを払ってロボアドバイザーサービスに頼るというのも選択肢の一つなのかもしれません。
なんだか、議論が堂々巡りになってきた(笑)
いろいろ書きましたが、こういった点にも着目したうえで、ロボアドバイザーサービスについて考えてもらえればと思っています。
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- 2016/06/28(火) 06:29:22|
- 金融資産運用・経済
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